ミルククラウン・オン・ソーネチカ/初音ミク
https://youtu.be/zRar5r3TieE
作詞:ユジー
作曲:ユジー
編曲:ユジー
イラスト:房野聖
動画:柊南
歌:初音ミク
1. テーマ
アルビノの主人公である「ソーネチカ(ソーニャ)」の心の葛藤や他人との関係性、自己認識、自己受容などのテーマを深く探求しているように感じました。アルビノとは「出生時より皮膚、毛髪、眼の色(虹彩の色)が薄く、全身の皮膚が白色調、眼の虹彩の色は青から灰色調を呈する遺伝病」のことです。(難病情報センターより引用)他の人にはない特性を生まれながらにして持った少女を歌った歌詞はどのようなものになっているのか、深掘りしていきましょう。
2. 歌詞
だって笑われてるから笑ってみたけど怒らせちゃうのなんで?
いつも妄想するほどうまくいかなくて「ごめんなさい」ってなんで?
ママに見せられないようなくしゃくしゃ頭に許してくださいって
踏んだ方もそれなり心が痛いとか言ってたの、嘘ですか
出来ないそんな才能は無い
出来ないそんな才能も無い
出来ないそんな才能なんてどこのお店でも売ってくれないし
天にまします神さまだってこんなガラクタ御手汚しですか
わたしだけが知ってる刹那に生まれた小っちゃな戴冠式
ねぇ凛とすましてるお姫様にでも取って代わらせてソーニャ
だって嘘ばかりtiny tiny世界に罪とか
放り出したってそれを恨んだって咎めなんかして損に得に?
愛を説いて満足気な教科書の慣用句
禁じてください間違いでしたって
待ってどうしてこんなにみじめな態度で許しを乞うのかって
これがびっくりするほど馬鹿馬鹿しいので立ち尽くして泣いて
ちょっと膨れて育った自意識まかせに斜めに構えてみちゃって
空とか仰いでみたけどカラスが芸術的に台無しにした
堂に入ったたぬき寝入りでやりすごして石になって息が止まった
背中に指を指されてる感覚申し訳ないです消えちゃいたい!
上手に笑うための方法をこそ、教えて?
汚く濁った願望 取り繕って罪悪隠した
掃いて捨てるほどありふれた無垢な感情の
何をもってして浄・不浄だって振りかざしちゃって
清廉ぶってないで解をくださいシスター!
どうかひとつ平等に見逃してください石ころ蹴ったって
出来損なった愛玩具 色も塗ってくれなかった
膝を折って耐えていたって助けてもくれなかった!
あんまりじゃないですか1人ずれてないですかそうですか
持たざる者が懺悔したって知らんぷりですか
だって嘘ばかりtiny tiny世界に罪とか
放り出したってそれを恨んだって咎めなんかして損に得に?
愛の教典ちんぷんかんぷん聖人の名文句を
「大げさ」ってつぶやいて簡単なことでしたって
色づいてく花が今日、微笑んだって
私は個人的にこの曲が大好きです。プロセカでも一時期狂ったようにプレイしてました笑笑。
3. メッセージと特筆点
①外見や過去の行動による偏見との闘い
「だって笑われてるから笑ってみたけど怒らせちゃうのなんで?」は、自分の外見や行動が周囲に理解されず、それをどうにか取り繕おうとするが、結果として周囲に誤解や怒りを買ってしまう状況を示しているように感じられます。
②自己否定と孤独
「出来ないそんな才能は無い」や「こんなガラクタ」といったフレーズは、自分の価値を見出せない、自己否定的な感情を示しています。いわゆる自己嫌悪ですね。
③周囲とのギャップ
「わたしだけが知ってる刹那に生まれた小っちゃな戴冠式」は、自分だけが感じる価値や瞬間を他者には伝えられない孤独感を示している可能性がありますね。
④自分を隠すことの困難さ
「上手に笑うための方法をこそ、教えて?」や「汚く濁った願望」は、自分の真の感情や思いを隠して他者と同じように振舞いたい、しかしできないという葛藤を示しているように感じました。
⑤外見の異質さと心の繊細さ
「ママに見せられないようなくしゃくしゃ頭に」は、主人公の外見とその心の中の繊細さや不安を強調しています。アルビノであることから来る異質な外見と、それに対する自らの気持ちや他者からの評価に翻弄されている様子が描かれていますね。
⑥自分と他者とのギャップ
「待ってどうしてこんなにみじめな態度で許しを乞うのかって」という部分は、他者との関係性の中での自分の位置を考え、自分と他者とのギャップや違和感を強く感じていることを示しています。
⑦外部の世界との乖離
「嘘ばかりtiny tiny世界」というフレーズは、主人公が感じる外部の世界との乖離や隔たりを象徴しています。アルビノであるために、一般的な世界とは異なる経験や感覚を持ち、それが孤独感や疎外感を増幅させていると感じられます。
⑧求める愛と認識
「出来損なった愛玩具 色も塗ってくれなかった」という部分は、他者からの愛や認識を強く求めていることを示しているように感じられます。アルビノという特性から、普通の子どもたちとは異なる扱いを受けてきたソーニャが、等しく愛されることの重要性を訴えていますね。
⑨内面の葛藤と自己受容
「色づいてく花が今日、微笑んだって」というフレーズは、主人公が自分の内面の葛藤を乗り越えて、自己受容の一歩を踏み出していることをお洒落に表しています。アルビノとしての特性を持つことの難しさや孤独感を超えて、自分を認める、また他者との関係性を築くことの大切さを再確認している様子がこの一節で伺えますね。本当に感動的な歌詞です。
次に特筆すべき点3つを紹介します。
1. 象徴的なタイトルとテーマの掘り下げ
曲のタイトル「ミルククラウンオンソーネチカ」は、アルビノの少女の特異性と美しさを象徴的に表現しているように感じます。このタイトルは歌詞の内容と深く結びつき、アルビノの少女の存在や個性に対する理解と受け入れをテーマにしているのでしょう。
2. アルビノの少女の内面と外見の対比
アルビノの少女の内面と外見の対比を通じて、ソーニャが他人との関わりや自己受容に向き合っている様子をうまく描写しています。外見の異質さと内面の複雑な感情の対比が、彼女の葛藤や成長を浮き彫りにしていますね。
3. 自己受容と他者との関係の葛藤
この曲は、ソーニャが他者との関わりや自己受容について葛藤している様子を描写していますね。彼女が笑顔を保ちつつも、内心では周囲からの評価や扱いに疑問や不安を感じている様子が見事に伝わってきます。この葛藤は、多くの人が直面する自己アイデンティティや他者との関係性についてのテーマとも結びついてい流ように感じられます。
4. まとめ
この曲はアルビノの人々が経験する可能性のある孤独、偏見、自己認識の困難さを的確に表現していると解釈できますね。他とは違った外見的な特徴が目立つために、周囲と異なる経験や感情を持つことが、歌詞全体のテーマとして浮かび上がってきます。そしてその象徴的な表現や深いテーマが、わたしたちに共感を与えてくれます。本当に美しい曲ですね。みなさんはこの曲を聞いてどのように感じましたか?ぜひ、コメントにて感想の共有をお願いします!!